アルコール依存症に関する誤解と真実(解説)  ホームへ

1.アルコール依存症者は、意志が弱いので酒がやめられない?

 ちがいます。飲酒をコントロールできないのは、意志が弱いからで
はなく病気の症状なのです。一口のアルコールが体内に入ると、
これが呼び水になり、いくら節酒をしようとしても止まらなくなり
ます。結果、以前の様になるまで飲んでしまうのです。
また、酒が切れると離脱症状(禁断症状)が出てくるので、それが
つらくて飲んでしまうのです

 

2.だらしない性格の人が依存症になるのでは?

 

 いいえ。医学的に「依存症になりやすい性格」はありません。ただ
し「依存症になりやすい体質」はあります。糖尿病になりやすい体質
の人がいるのと同じ事。
 依存症になりやすいのは、以下のような人です。
☆飲んでも赤くならず二日酔いしにくい人
 (アセトアルデヒドの分解能力が高い)
☆気持ちよい酔いが味わえる
 (脳の「アルコールヘの感受性」が高い)
注;この体質は遺伝するので、家系に「大酒飲み」と言われる人がいる
  場合は、飲酒の習慣をつけないことで依存症の予防ができます

 

3.女性はアルコール依存症になりにくい?

 病気と性別とは関係ありません。むしろ女性ホルモンなどの関係で、
女性の方が酒の害を受けやすく、依存症になりやすいのです。
酒を習慣的に飲み始めてから依存症になるまでの平均年数が、男性は
20年なのに比べて女性は10年未満と約半分という統計もあります

 
4.チューハイや梅酒、ビールだけしか飲んでいないから、
 依存症にはならない
?


 アルコール飲料の主成分は、エチルアルコールという依存性薬物。
これによって起こるのがアルコール依存症です。
問題なのは酒の種類ではなく、飲んだものの中に含まれているエチル
アルコールの総量
。アルコール度数が弱くてもたくさん飲めば同じです。
ビール大瓶1本・日本酒1合・ウィスキーのダブル1杯に含まれる純アルコ
ール分量はほぼ同じです。

注;若年層には、果実酒などをジュース感覚で飲んで止まらなくなる人
 もあります

5.酒を飲んでも顔が赤くならない人は、依存症にならない?

 

 顔が赤くなるのは、体内に入ったアルコールが分解される過程で
できる有害物質、アセトアルデヒドの作用です。
 一般に「酒に強い」と言われる人は、このアセトアルデヒドを分解する
酵素の働きが正常で、分解がスムーズなので、飲んでも顔に出ないの
です。
反対に「弱い」と言われる人は、酵素の働きが弱い、もしくは全く働かな
い人で、アセトアルデヒドが長時間体内に留まり、顔が赤くなるのです。
 つまり、顔色が変わらない人は、たくさん飲んでも体調に異変がない
ため、気づかないうちに大量のアルコールを摂取してしまうことになり、
かえって依存症になる危険性が大なのです。

 

6.仕事をしているから、まだ依存症ではない?

 

 アルコール依存症は進行性の病気です。飲み始め→精神依存に移行
する初期→病的行動が始まる依存症中期→人生が破綻し始める依存症
後期へと徐々に進行します。
依存症中期からは軽い離脱症状が出て、飲酒のことで嘘をついたり家庭
内で問題が起き始めますが、たいていの人は必死に問題を隠して仕事を
こなしています。
仕事に明らかな支障が出て、家庭崩壊に至ったりするのは依存症後期
です。
早く治療を受ければ受けるほど、失うものは少なくてすみ、回復と社会
復帰も容易です。
ぜひ早期治療を!

 

7.肝臓が悪くなければ、まだ依存症ではない?

 

 たしかに、肝障害を併発しているアルコール依存症者は多いし、専
門病棟の入院患者の80%に肝障害があったという報告もあるくらい。
でも、障害の出方には個人差があります。肝臓は悪くならずに、脳神
経系に障害が出るタイプの人もいますので、いちがいには言えません。

 

8.アルコール依存症になったら、死ぬまで酒をやめられない?

 

 コントロ一ルを失う病気ですから、自己流でやめるのは無理です。
けれど、治療・援助を受ければお酒をやめられます。
専門の治療の場、回復を続けるための自助グループは、全国各地にあ
ります。実際にたくさんの人が、回復し社会復帰しているのです。

あきらめないで
!

 

9.悩みを解決すれば飲まなくなる?

 

 はじめはストレス解消のために飲んでいたかもしれませんが、いっ
たんアルコール依存症になってしまうと、つらいから飲んでいるので
はなく、
一口のアルコールが体内に入ると止まらなくなる病気
から飲んでいるのです。
悩みを解決するより先に、病気としてしかるべき対応を。
ただ飲酒を責めたり、「酒をやめる」と誓わせても効果は上がりません。

 

10.病気が治れば、また飲めるようになる?

 

 アルコール依存症は、糖尿病と同じような慢性病です。回復はあっ
ても完全に治ることはなく、病気と上手につき合っていくことが大切。
飲酒のコントロ一ルを失っているので、二度と普通の酒飲みには戻れ
ず、少しでも飲んでしまえば逆戻りです。
節酒は不可能、断酒が必要
なのです。
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